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カテゴリー別アーカイブ: 工場管理

工場あるところに鳩あり

つめたい秋の朝の
ラッシュアワーの停車場前
がつがつとパン屑をついばみ
せはしげに まばたきして うずまく
青、灰、緑の
鳩の波に
ひとり 背に 首をうづめて
うごかぬ おまへ
セピアいろの 鳩よ

(須賀敦子「同情」)

 

彼は野いちごの生えていないところに穴を掘り、それから鳩を調べた。
(中略)
小鳥たちにさえもふんだんに創造の御力を注いだ神は、デイヴィッドに永遠の生を与えることを拒むことによってその被造物のすべてを破壊し去るようなことはけっしてしないだろう。

(ジョン・アプダイク/寺門泰彦訳『鳩の羽根』)

 

鳩は工場の配管や屋根を住処とします。問題は糞(ふん)ですね。
衛生上も見た目も良くないし、草が生い茂ることもあります。

鳩は自分の住処と思うと意地でもそこに住み着こうとするので、非常に出て行ってもらうのは難しいです。
ネットで侵入できないようにしても隙間を見つけて入ってきます。
一時的に効果があっても、いたちごっこ状態になります。本当に鳩対策は難しいです。

何か画期的な方法を考え出せれば、、、と思うこの頃です。

主よ 一羽の鳩のために
人間 が くるしむのは
ばかげてゐるのでせうか。

(須賀敦子「同情」)

意味が全然違いますね。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
12月になったら、ウェブサイトのトップ画像の説明をしたいと思います。

(有)アイ・エス・オー 長友

新型コロナウイルスにおける産業廃棄物業者としての責任

昨日、宮崎での感染の噂を耳にしました。噂の情報源と今日29日に正式発表という話に信憑性が欠けたので、従業員にはその旨を告げました。実際、どこにも正式な情報がなく、昨夕NHKニュースにそうしたデマが流れたことが報告されました。非常に不愉快です。先日は、SNSでチェーンメールが流れてきました。科学的根拠・論理にかける内容を裏付けに、新型コロナの対策を書いたものでした。対策内容は風邪予防に近いものですが、不安を煽るものに違いはありませんでした。

 

想像すれば当たり前なのですが、廃棄物業者は非常に危険にさらされます。
特に一般廃棄物業者は非常に神経を使うと思います。感染者の呼吸器系分泌物(鼻水、痰等)が付着したティッシュ等に触れる可能性があるからです。産廃物についても接触感染の可能性があるでしょう。回収者に感染が認められれば、その事業所ごと動けなくなる可能性があります。このあたりの対応について、厚生労働省の〈新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)〉に合わせることになりますが、濃厚接触の疑いがあったら就業禁止の措置がとられるのでしょうね。
一般廃棄物業者になれば、その影響は甚大なものになると思われます。

 

弊社からもし新型コロナウイルス感染者が出たらどう対応するかは深く考えさせられるところです。
まずは感染を広げないように発熱者以外は全従業員を自宅待機させることが思い浮かびます。そうなると、お客様の対応はどうすればいいのか。弊社のように排出物を有価物として買い取ることができる企業は少ないです。そうは言っても回収できなければ、排出物が溢れかえる心配があります。

それに現在、いろいろな再生材の輸出がままならない状況で、働き方改革もあって、企業としての体力が疲弊しているところです。緊急で弊社の代わりに回収できる企業はあるでしょうか?
この辺りについて、他社様と連携を取らないといけない、と思っているところですが、正直、逆に弊社が応援にいけるだけの人的余裕はありません。それでも、最悪の事態となったときは、助け合わなければならないでしょう。

 

産業廃棄物の管轄は環境省です。
令和2年1月22日付で「新型コロナウイルスを始めとする感染症に係る廃棄物の適正な処理について」、
同年1月30日付で「廃棄物処理における新型コロナウイルス対策の実施等について」
の通知書が各都道府県・政令市宛、日本医師会宛、全国産業資源循環連合会宛に発表されています。宛名は違いますが、概ね同じ事が書かれています。

前者はこの感染性廃棄物を「廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物処理マニュアル」(平成30年3月)に基づいて適正に処理するように注意喚起しています。66頁にわたるマニュアルで、感染性廃棄物の判断基準から医療関係機関の管理と処理、産廃処理の委託契約から処分までの流れ等が書かれています。どちらかと言うと医療廃棄物の取扱いに近い内容です。

後者は「廃棄物処理における新型インフルエンザ対策ガイドライン」(平成21年3月)に準拠して対応するよう注意喚起しています。
こちらは44頁にわたるガイドラインで、新型インフルエンザに関する説明や想定される事態から入り、廃棄攣物からの感染リスクが述べられた後、事業継続計画の策定措置の必要性とチェックポイントが述べられています。
先に述べた通り、人員の確保が挙げられていますが、非常に難しい問題です。
廃棄物処理事業者における感染防止策例が表7〈PDFファイル〉として挙がっています。また、事業継続に重要な要素が不足した場合の優先度のつけ方も重要業務例として挙げられています。ここでは従業員の4割が数週間の欠勤が起こることまで想定するようにありますが、今回の新型コロナウイルスのように、潜伏期間が長く感染者が発生したらその事業所ごと閉鎖するリスクまであります。
プレハブ小屋を買って、従業員を2グループに分け、濃厚接触を避けるのも手段でしょうか。お客様に極力ご迷惑をかけない対策を考えなければなりません。

 

弊社の業務内容として腐敗しうるものはないので、廃棄物倉庫等が溢れかえらないことを第一に考えなければと思っております。最悪の事態に備えて、回収用のフレコンバッグやドラム缶をお客様に予備として渡しておくことも考えられます。

最悪な事態を想定しながら、先に先に動いていくしかないように思います。

 

と書いたところで、全然先に動けていないで綺麗ごとばかりしか書けていないと反省しております。決意表明と思ってください。

2月の請求書や報告書を整理する中で、もしもの事態にどう対処するかお客様にご提案しなければならないのではないかと思い、緊張し始めたので、まずはブログで書かせていただきました。と、書くことも、今更すぎるのでリテラシー的にはどうか分かりません。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

有限会社アイ・エス・オー 長友

雨がしとしと

菜種梅雨 やさしき言葉 持つ国を
歩む一人の スローモーション (俵万智)

 

今日も雨ですね。例年こんなに雨が多いのかと不思議に思って過去の天気を調べると、去年も2月に結構雨が降っていました。その前年も意外と。不思議です。20代のほとんどを東京で過ごしたこともあって宮崎の冬のイメージがずれているのかもしれません。

今日は3日前の雨ほど寒くありません。昨日の雨よりは寒いです。今週は変な天気です。先月下旬は梅雨のような気圧配置になっていることから、春先の梅雨のようだと言われていました。

この春先の梅雨を菜種梅雨と呼ぶこともあります。他に、催花雨、春霖なんて呼び方もあります。そして、数年前に宮崎に移住してこられて話題になった俵万智氏の短歌に冒頭の歌があります。
私の好きな短歌のひとつで、雨で気分が湿りがちなときには思い出して、気分を晴れにして前を向きます。

 

今年は1月に桜やサツキに花がついていました。狂い咲きというやつです。
弊社は御取引先の緑地(芝園や植木)の管理も行っていますが、寒肥や薬剤散布に迷いが出ます。花を咲かせているこの子たちはもう起きちゃってるんじゃないかしら、と。植物の声をどのように聞くか、土曜日は静かな工場で一生懸命木々とコミュニケーションをとろうとしています。

今日は雨で切断面から雑菌が入ると可哀想なので植木屋さん業は休みです。各所、お客様の工場の点検に行ってまいりました。分離槽の点検、側溝の点検、グリストラップの点検、工場外近くの側溝や川も見てきました。

基本的には工場外に汚水が漏れないようにしてあるわけですが、絶対大丈夫ということはありません。何かあってからでは遅いので、些細なことにも気づきたいと思っています。小雨の日は油膜が見えやすく、普段水が流れていないところも油が浮いていないか確認できる絶好の日でもあります。

また、昨年からこうした点検作業に新しい試みも行っております。
吸着マットをマジックファイバー製品に切り替えました。従来の製品ですと、泥水を吸い上げてしまい、油をどれぐらい吸着しているのかがよく分からなくなっていました。マジックファイバーは綿菓子みたいに手で裂きながら中を見れますし、表面は泥で汚れていても中の方は油しか浸透していないので非常に効果や油の流量を知るのに役立っております。
グリストラップには天然由来の油吸着剤を散布しております。槽を傷めるといけないのでグリストラップには薬品を使用してはいけないのですが、弊社が利用しているのは天然由来ですので安心して利用できます。また消臭効果は勿論、冬の時期は特に油が固形化しやすいのですが、本製品を散布すると油を吸着してくれるので層に油が固まってこびりつくのを防いでくれます。清掃の負担も減るので重宝しております。

きれいな写真ではありませんが、参考に。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

有限会社アイ・エス・オー 長友