案外?樹脂排出企業の担当者やリサイクル事業者に樹脂の分子式を描ける方って少ないです。マストな知識ではないですからね。
大学を理系受験していれば、化学やってて、高分子もやっていると思います。
私なんかは高校化学で高分子にきたとき、スポーツと人体に興味があったので、ワクワクして学びました。プラスチックは白川英樹先生のパネルディスカッションに高校時代行ってますし、受験でもPA6やスクロースは見かけたような気がします。
樹脂の識別で有名なのは、バイルシュタイン反応ですかね?
塩ビ(塩化ビニルPVC)はハロゲンの塩素を含んでいるので、銅と熱反応させて塩化銅にし、火であぶると青緑の炎色反応が確認できます。
【比重】
比重ですと、例えば水中沈降によって確かめる場合、空気を抜かないといけないし、形状による抵抗力や浮力を意識しないといけません。
それに、添加剤は比重が大きいものが多いのも忘れてはいけません。
触った感覚や艶などで添加剤を意識しつつ、形状によるモーメントを意識しつつ、樹脂自体の比重を想定する(選択肢を絞る)ことが多いです。
【固さ・しなり】
樹脂の分子ベースは炭素や水素が手をつなぎあっています。1つの手でつないだり、2つの手でつないだり、輪っか(六角形)になったりしています。
PP(PE)とPSの違いは、輪っかになっているかどうかなんですが、固さという点では全然違います。
それが、材質にそのままでてきます。
固いプラスチックはだいたい輪っかになって手を繋いでいます。ベンゼン環が分子式に含まれています。
テレフタル酸からできるPBTやPET,ビスフェノールAからできるPCはみんな固いです。
逆に柔らかいビニール袋はベンゼン環のないPPやPEです(シートや折れ目が付くような袋は多層フィルム構造で、薄く多種樹脂の層が入っていることもあります)。
ベンゼン環がなくて、固くなりたいときは、ガラス繊維を身体に取り込んでいる子が多いですね(ベンゼン環があっても強化材にガラス繊維を入れることも珍しくはありませんが)。
ベンゼン環みたいに輪っかになっていると、耐熱性もでてきますね。やはり輪っかになることでの安定性というのはあります(ただベンゼンが独立して出てくると、人体に、、、)。
火であぶると出てくる煤は不完全燃焼反応によるとみられ、二重結合(2つの手でつなぐ、ベンゼン環内にも含まれる)が推測されます。
二重結合は工業用エンジニアリングプラスチックになると大抵使われていますが。
吸水性の高いものは親水性のあるアミド結合やエステル結合を含むことを推測させられます。
プラスチック触りながら、一種の触診ですね、、、どんな分子構造しているか考えます。
といったことで、高校化学それなりにやっていて良かったと思うことはあります。
高校卒業後はなかなか触れる機会はありませんでしたが、、、化学的なことはイオンチャンネルがシンプルに感心して面白い仕組みだなと思いましたが、、、人工臓器のための材料工学は関わる可能性があるかもと思いましたが、、、が、、、が、、、人生どうなるか分からないものです。
(有)アイ・エス・オー 長友